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睡眠時無呼吸症候群の第⼀⼈者である成井浩司医師がSOXAIのメディカルアドバイザーに就任いたしました

睡眠時無呼吸症候群の第⼀⼈者である成井浩司医師がSOXAIのメディカルアドバイザーに就任いたしました

この度、睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療の第一人者である成井浩司医師が、株式会社SOXAIのメディカルアドバイザーに就任いたしました。今後は成井医師と連携しながら、睡眠サービスの強化を図ってまいります。

成井医師からのコメント

睡眠時無呼吸症候群(SAS)はCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)という医療機器によって治療されます。この画期的な医療機器は、1979年にオーストラリアのColin Sullivan先生によって発明されました。彼はシドニー大学附属病院で臨床医として働きながら、睡眠障害の研究に従事し、1980年7月に初めてCPAPの試作品を完成させました。

一方、私は1983年に心不全を合併した重症SAS患者3例を経験し、全例に気管切開を行い、無呼吸と心不全を治療しました。そして1985年頃からSAS医療を開始し、1986年にはじめて人工呼吸器を用いたCPAP治療を試みました。アメリカ製のCPAP(レスピロニクス社製スリープイージー)を臨床に導入したのもこの頃です。1991年には、コリンサリバン先生の指導の下、シドニー大学に留学し、オートCPAPの開発に携わり、その技術を日本に持ち帰りました。

SASは糖尿病、心房細動、心不全、COPD、脳血管障害など、多くの病気を引き起こすことが知られています。さらに、睡眠障害は認知症の初期変化と関連し、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβの脳内蓄積と除去にも影響し、交感神経の異常が起こりやすいこと、体に動脈硬化や発癌の原因となる慢性炎症を悪化させることなどが解明されています。これらの問題は、SASによる繰り返しの低酸素が関わっています。CPAPの発明により、睡眠障害に悩む多くの人々が救われ、関連する様々な疾患も改善されることがわかってきました。

SASは全身の病気を引き起こす可能性があります。医師に求められるのは、単にCPAP機器の管理だけではなく、SASに合併する様々な疾患を治療することです。1998年、私は日本でCPAP治療を普及させるため、厚生省に働きかけ、CPAP治療の健康保険適用を実現しました。。それ以降、全国どこでもCPAPの治療が保険で受けられるように制度が拡充され、診療の幅が広がりました。
現在、CPAPは遠隔でのデータの確認やオンライン治療が可能であり、アプリを使用して使用状況を確認することもできます。将来的には、CPAPはさらにコンパクトになり、携帯可能になり、全国どこでも誰でも簡単に利用できるようになるでしょう。

日本には約900万人のSAS患者がいると推定されていますが、現在保険で治療を受けているのは約80万人です。約10倍の患者が潜在していると考えられ、CPAP治療は今後さらに日本の医療の中で普及していくでしょう。私たちはより良い治療法を提供し、SAS患者の健康を支えていく必要性を感じています。サリバン先生がいびきをSASという疾患として認識させたように、私はCPAPをメディスンからヘルスケアとしてとらえる未来へと導いていきたいのです。

SOXAIは「ヘルスケアをライフスタイルに」をビジョンに掲げ、睡眠領域におけるヘルスケアを実現しようとしています。そのビジョンに強く共感し、私がこれまでに培ってきた睡眠医学の知見をSOXAI事業に活かすべくこの度アドバイザーとして参画させて頂きました。

成井医師のプロフィール

【専門】

  • 呼吸器病学、睡眠医学
  • 睡眠時無呼吸症候群を含む睡眠呼吸障害
  • 内科学会認定医、呼吸器病学会専門医、日本睡眠学会睡眠医療認定医師

【職歴】

  • 昭和57年3月 東海大学医学部卒業
  • 昭和57年4月 虎の門病院内科研修医
  • 昭和60年4月 東海大学第Ⅱ内科勤務
  • 昭和63年4月 虎の門病院呼吸器科医員
  • 平成5年   シドニー大学Colin Sullivan教授に留学(オートCPAP共同研究)
  • 平成15年1月 虎の門睡眠呼吸センター開設(日本初の本格的なセンター)、虎ノ門病院センター長、呼吸器センター内科医長を兼任
  • 平成21年4月 睡眠呼吸器科部長
  • 令和2年4月   医療法人順齢會赤坂おだやかクリニック名誉院長、医療法人順齢會理事